岩手銀行赤レンガ館は、盛岡銀行の本店として1911年に建設されました。盛岡銀行は経営不振により1933年に営業免許を取り消され、その後1936年に岩手殖産銀行(現在の岩手銀行)が買い受けたことにより、岩手銀行の本店として2012年まで営業。約100年間もの間、実際に使用されていた歴史ある建築物として、盛岡市のシンボル的な存在となっていたことから、3年の修復期間を経て、現在は公開施設「岩手銀行赤レンガ館」として開館しています。
岩手銀行赤レンガ館の基本情報
所在地 | 〒020-0871 岩手県盛岡市 中ノ橋通1丁目2-20 |
定休日 | 火曜日定休日、年末年始(12月29日〜1月3日) |
営業時間 | 10時〜17時 |
入館料 | 大人300円、小中学生100円 |
HP | 岩手銀行赤レンガ館 |
岩手銀行赤レンガ館の見どころ
岩手銀行赤レンガ館の設計は日本銀行本店や中央停車場(現在の東京駅)の設計を担当した辰野金吾と盛岡市出身の葛西萬司によるもの。辰野金吾の作品としては東北地方唯一現存する建物です。
盛岡城跡公園から2分ほどの歩くと赤と白のコントラストが美しい岩手銀行赤レンガ館が見えてきます。この赤煉瓦に白い石を帯状にめぐらせるデザインは、ヴィクトリアン・ゴシックに影響を受けたもので、辰野式建築と言われています。辰野建築の多くがこの特徴を持っていて、同じく辰野金吾が設計した東京駅にとてもよく似ています。
▲白かべ時代の名残り
裏側に回ると、外壁に砂利のようなものが塗り込まれている箇所があります。岩手殖産銀行に買い取られた後、赤字のイメージを解消しようと白色に塗装され「白い明治館」と呼ばれていた頃の名残りなのだそうです。白かべ時代も気になります…
内部も一般公開されていて、手前のエントランスホールと多目的ホールは無料で、応接室や重役室・会議室といった赤レンガの重要施設を開館当時のままに、復原した資料室は大人300円で入場することができます。
青森ヒバを暗い色で塗装した木部によって白かべがより際立ち美しい…
重厚感のある内装は、銀行のような少し堅いイメージの公的な建物にはよく似合います。
▲当時の設計資料
▲岩銀ソングのレコード
資料室は1階と2階に別れていて、建築当時の設計図や行員のバッチ、それから岩手銀行行歌の岩銀ソングのレコードなども展示されていました。岩銀ソングはどんな時に使ったのでしょうか。朝礼とかで行員全員で歌ったりしていたのか…気になります。
▲天井装飾どれも微妙に異なる
▲美しい装飾の暖炉
それから室内の装飾にも注目してみてください。どれも同じようで、微妙にデザインが違っていたりするんです!本当に細かい部分まで丁寧に設計され、それを実現してきた当時の職人さんの腕に感服します。
▲金庫は二重扉になっている
▲金庫は2012年まで実際に使用されていた
一階奥には金庫室も。建物と一体になった金庫室の二重扉や、金庫室内部の様子が使用されていた当時のままに残されています。銀行の金庫室が見学できるなんて他にはなかなかない体験で少し興奮しました。
階段の手すりにも美しい装飾が施されています。
階段が立派な建物ってなんだかワクワクします。
▲シャンデリアが美しい
外からのやわらかな光と豪華なシャンデリア…なんだか高貴な気分になってきます。木枠の窓を通して見る盛岡の街並みは、どこか数十年前にタイムスリップしたように感じました。
最後にいろんな角度から岩手銀行赤レンガ館を撮影してみました。どの角度からみても美しいですね。建築当時は周りに高い建物がなかったので、今よりもひときわ目立つ存在だったと思います。今の感覚で見ると、銀行をこれほど豪華にする必要があるのか疑問を持ちますが、当時の銀行が持つ役割は今のものとは少し違ったのかもしれません。少なくとも今も昔も盛岡の人々にとって、レンガ館は街のシンボルなのです。
- 旧中央停車場(東京駅)を設計した辰野金吾の東北に現存する唯一の作品
- 裏側に残る白かべ時代の名残
- 美しい装飾の数々
なんぶてつぞう君
インスタでも情報発信中!
インスタでも岩手銀行赤レンガ館の見どころを発信しています!
よかったらFollowもお願いします!
View this post on Instagram
盛岡のおすすめす観光スポット情報も!
岩手銀行赤レンガ館や南昌荘に代表されるレトロな街並み、宮沢賢治や石川啄木にまつわる歴史や文化、桜や紅葉など四季を感じる美しいスポット、温泉に、グルメ、お土産まで地元民ならではの目線で、盛岡市の魅力を余すことなくご紹介しています!
盛岡のおすすめ観光スポット!歴史と四季を感じる定番&穴場まで!